家族の一員として暮らしてきたペットが亡くなることは、言葉にできないほどつらい出来事です。
長年一緒に過ごした日々があるほど、「どうすればいいのか分からない」「もっとしてあげられたことがあったのでは」と、深い悲しみと後悔に包まれてしまう人も少なくありません。
しかし、ペットが亡くなった直後は、現実的な対応も必要になります。
この記事では、ペットが死んでしまったときに行うべきことを、時系列で丁寧に解説します。
気持ちの整理がつかない中でも、少しずつ前に進むための参考になれば幸いです。
目次
1. ペットが亡くなった直後にすること
まずは、冷静に現状を確認しましょう。
① 本当に亡くなっているかを確認する
ペットがぐったりして動かない場合、まずは呼吸や心拍を確認します。
胸やお腹が動いていないか、鼻や口から息が出ていないかを見てください。
迷った場合は、かかりつけの動物病院にすぐ連絡を。
時間外でも、緊急対応してくれることがあります。
② 亡くなった後の安置方法
亡くなったことが確認できたら、まずは体を清めて安らかに休ませてあげましょう。
- 毛並みを整え、汚れを軽く拭く
- 涼しい場所に寝かせる
- 保冷剤や氷をお腹の下に入れて体を冷やす(夏場は特に重要)
- お気に入りのタオルや毛布で包む
遺体の腐敗を防ぐため、室温を下げる・保冷剤をこまめに交換することが大切です。
小型犬や猫の場合、段ボールや棺型の箱に寝かせると安心です。
2. ペットの遺体をどうするか選ぶ
ペットが亡くなった後は、火葬・埋葬・自治体回収など、いくつかの選択肢があります。
「どの方法が一番いいか」は、飼い主の想いと住んでいる地域の制度によって異なります。
① ペット葬儀業者による火葬
現在、最も一般的なのがこの方法です。
ペット専用の火葬車や火葬場で、個別火葬・合同火葬のいずれかを選べます。
- 個別火葬:ペット1体ずつ火葬し、遺骨を返してもらえる。供養や納骨も可能。
- 合同火葬:他のペットと一緒に火葬し、遺骨は合同供養塔に納められる(遺骨の返却なし)。
費用の目安は以下の通りです。
- 小動物(ハムスター・インコなど):約1万円前後
- 猫・小型犬:1.5万〜2.5万円
- 中型犬以上:3万円〜5万円
信頼できる業者を選ぶには、「動物霊園協会加盟」「口コミ評価」「遺骨返却の対応」などを確認すると安心です。
ペット葬儀について不安なことはなんでもご質問ください【ペット葬儀110番】
② 自治体での火葬・引き取り
多くの自治体では、ペットの遺体を有料で引き取るサービスを行っています。
ただし、ほとんどの場合「一般ごみ扱い(合同焼却)」となり、個別の火葬や供養は行われません。
費用は1,000円〜5,000円程度と安価ですが、「しっかり見送りたい」「お骨を手元に残したい」と思う場合は、民間のペット葬儀業者を利用する方がよいでしょう。
③ 自宅の庭などへの埋葬
一軒家に住んでいる場合、自宅の敷地内に埋葬することも可能です。
ただし、衛生面や近隣トラブルに配慮し、深さ50cm以上の穴を掘って埋めるようにしましょう。
賃貸物件や公園・山林への埋葬は、法律で禁止されているケースがありますので注意が必要です。
3. ペットの葬儀や供養の方法

ペットの葬儀は、形式に決まりがありません。
飼い主の気持ちを込めて送り出してあげることが、何より大切です。
① 自宅で行うお別れ会
家族や友人と一緒に、お花やおやつを供え、手を合わせてお別れを伝えるだけでも立派な供養になります。
ペットの写真や思い出の品を飾ると、心が少し落ち着くこともあります。
② ペット霊園での供養
ペット霊園では、火葬だけでなく「葬儀」「納骨」「永代供養」まで一括で行ってくれます。
お寺や神社が運営する霊園もあり、宗教的な儀式を希望する場合にも対応可能です。
③ 遺骨を自宅に置く(手元供養)
小さな骨壷や分骨カプセル、フォトフレーム型の骨入れなど、近年は自宅で供養する方法も人気です。
「いつもそばに感じていたい」という気持ちを大切にする方に選ばれています。
4. ペットロスとどう向き合うか
ペットを亡くす悲しみ——いわゆるペットロスは、多くの人が経験します。
泣いてしまうのは当然のこと。無理に気持ちを抑え込む必要はありません。
悲しみを癒すための3つの方法
- 写真や動画を整理する
思い出を振り返ることで、「楽しかった時間」に焦点を当てることができます。 - 気持ちを言葉にする
日記やSNS、エンディングノートなどに、ペットへの感謝を綴るのもおすすめです。 - 信頼できる人に話す
同じ経験を持つ友人や、ペットロス専門のカウンセラーに話すだけでも心が軽くなります。
時間とともに、悲しみは「感謝」に変わっていくものです。
焦らず、自分のペースで心の整理をしていきましょう。
5. ペットの死後手続き
ペットが亡くなった後、必要な手続きがいくつかあります。
- 動物登録の抹消(犬の場合)
犬を飼っている方は、自治体への「死亡届」を提出します。
狂犬病予防法に基づく登録なので、亡くなった日から30日以内の手続きが必要です。 - 保険やペット関連契約の解約
ペット保険やサブスクサービス(フード・病院プランなど)を利用している場合は、解約手続きを忘れずに行いましょう。 - ペット霊園や葬儀社との契約内容の確認
納骨や永代供養を希望する場合は、後日の供養日程や費用を事前に確認しておくと安心です。
6. まとめ|「ありがとう」を伝えることが何よりの供養
ペットが死んでしまうことは、本当に悲しく、心にぽっかり穴があくような体験です。
でも、あなたと過ごした時間は、ペットにとってかけがえのない幸せな日々だったはずです。
葬儀や供養の形に正解はありません。
大切なのは、**「ありがとう」「一緒にいてくれて幸せだったよ」**という気持ちを伝えること。
涙の数だけ、ペットとの絆は確かにそこにあります。
どうか、あなたの大切な家族を、あたたかい想いで送り出してあげてください。
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