父が一年で二度行方不明になった日々から

―私が「終活」を学ぼうと決めた理由―

私の父は、この一年のあいだに二度行方不明になりました。


■1度目:突然の「お父さんが帰ってこない」

平日の午後4時。仕事中に母から電話がありました。

「お父さんが外出したまま帰ってこないの」

携帯電話も家に置いたまま。
どこへ行ったのか全くわからない。
警察に連絡しても「すぐには動けない」と言われ、不安で声が震えていました。

私は静岡に出張中でしたが、すぐ職場に事情を話して東京の実家へ向かいました。
移動中も、悪い想像ばかりが頭をよぎります。

もし事件に巻き込まれていたら──
明日のニュースになってしまったら──

新幹線の時間がこんなに長く感じたのは、あの日が初めてでした。

実家に着くと、警察官が2名。
事情を聞きながら、私は父が以前働いていた職場の近くを探しに行こうとしました。
カーシェアの車に乗り込もうとした、そのとき。

ピンポーン

玄関のチャイムが鳴り、父がいつもの調子で
「おーう」
と帰宅したのです。

あまりの安堵に、私はその場に座り込んでしまいました。

父は特に疲れた様子もなく、血色も良いまま。

理由を聞くと、
「外に出たけど、どこを歩いたか覚えていない。迷子だと思ったから交番で電話を借りようとしたが貸してもらえなかった」
と。

交番で「迷子」と伝えれば何か対処はあったはずですが、警察官も父が認知症気味だとは気付かなかったのでしょう。

ほんの小さなすれ違いが、“行方不明” につながる。
その恐ろしさに身体が震えました。

そこで私と母は対策を始めました。

  • 父の財布に Apple AirTag
  • 父の靴の中には GPS端末

どちらかで必ず居場所がわかるはず。
そう思っていました。

──しかし、それは甘い考えでした。


■2度目:自転車の「移動力」に追いつけない

半年後のある日。
午後2時、また母から電話がきました。

「またお父さんがいなくなった。
仕事に行くって自転車で出て行ったまま帰らない」

もちろん父は仕事を辞めて数年。
認知症が進んでいると感じました。

今回は位置情報がわかる分、焦りは少しだけ減っていました。
実家(北区)から荒川沿いを西へ向かっているようです。

しかし警察は
「昼間で、居場所もおおよそ把握できているので動けない」
とのこと。

私は仕事を半日で切り上げ、車で追いかけることにしました。

が、ここで誤算に気づきます。

父は自転車。移動スピードが速い。
しかも、どこへ向かうのか全く読めません。

埼玉方面へ渡ったと思えば、また戻り、別の道へ。
私はそのたびにスマホで位置を確認し、道を変え、運転しながら不安を抑え続けました。

「疲れて転倒したら…」
「車にぶつかったら…」

考えれば考えるほど胸が締めつけられます。

AirTagはリアルタイムでは更新されないので、
「数分前の父の位置」
を追いかける追跡戦でした。

狭い道へ入っていくと──
やっと、自転車を漕ぐ父を発見。

声をかけても父は笑って
「仕事に行くだけだ」
と。

その言葉に、初めて背中がゾワッとしました。

父と自転車を車に乗せて実家に戻りながら、
「次は自転車も隠さないといけない」
そう思わされました。


■父が私を忘れる日を覚悟しながら

その後一年間、父は行方不明になることはありませんでした。
ただ、認知は少しずつ進んでいるようです。

母からは、

  • 「私(母)が誰かわからない時がある」
  • 「自宅に帰ってきても『今日はここに泊まるのか』と言っていた」
  • 「翌日には元に戻っていたが不安でたまらない」

と聞きます。

また、家族で温泉へ行った帰り道、渋滞中に父は

「どこでもいいから降ろしてください」

と何度も言い、私に敬語を使いました。
おそらく私はデイサービスの職員か何かに見えていたのでしょう。

私は近い将来、
父が私を認識できなくなる日
が来ると覚悟しています。

母もいずれは老いと向き合うことになります。

その現実のなかで、
「私にできることは何か」
「いざというときに家族を守れる準備をしたい」
という思いが強くなり、
終活ライフコーディネーターの資格 を取得しました。


■同じ不安を抱える人たちへ

介護の苦労、認知症への不安、老後の生活費、相続、施設選び、お墓──
終活にはさまざまな悩みがつきまといます。

私と同じように悩んだり、
相談相手がいなかったり、
誰にも言えない苦労を抱えている方もたくさんいるはずです。

その方々に寄り添える場所がつくりたいと思い、
私はこのブログを始めました。

この記事が、終活の第一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
もし「もう少し具体的に知りたい」「自分の家庭の場合はどうなる?」という場合は、LINEでお気軽にご相談ください。

今なら、初めての方限定で エンディングノート(PDF版)を無料プレゼント しています。

👉 LINEで無料プレゼントを受け取る