【実家が片づかない…】高齢者の家の片づけに悩むあなたへ|親の気持ちに寄り添う片づけ術と5つのコツ

「実家が物であふれている」

「高齢の親がモノを捨てたがらない」

「このままだと転倒や火事が心配…」

年齢を重ねた親の家の片づけについて、こんな悩みを抱えていませんか?

親の暮らしをより快適で安全にしたいと思っても、いざ声をかけると、「勝手に触らないで!」「まだ使うから」と反発されることも少なくありません。

この記事では、「高齢者の家の片づけ」に焦点をあて、なぜ片づけが進まないのか、親の気持ちに配慮した声かけの仕方や、実践的な片づけの手順とコツを詳しく解説していきます。

あなたの悩みが少しでも軽くなり、ご両親との関係がより良いものになるヒントになれば幸いです。

なぜ高齢の親は家を片づけられないのか?

親世代は、昭和・平成の時代を生き抜き、ものを「大切にする」価値観を強く持っています。だからこそ、

いつか使うかもしれない

もったいないから捨てられない

思い出が詰まっていて手放せない

といった感情が、片づけの妨げになるのです。

さらに、高齢になると体力や判断力も低下し、

重いものを動かせない

どこから手をつければいいか分からない

判断するのに疲れてしまう

といった“物理的・心理的な負担”が大きくなっていきます。

このような背景を理解せずに、「片づけなきゃダメ!」「こんなに汚いと危ないよ!」と押しつけてしまうと、かえって信頼関係が崩れてしまうことも。

まずは、「捨てられないのには理由がある」という前提を持つことが、片づけをうまく進める第一歩です。

高齢の親に片づけを納得してもらうには?

片づけは、「説得」ではなく「共感」から始めるのが大切です。以下のようなアプローチが有効です。

① 片づけの目的を「安心・安全」と伝える

「モノが多いと危ないから捨てて」ではなく、

「転ばないように動線を確保しよう」

「いざというときにすぐに必要なものを見つけられるようにしよう」

と、本人の生活に直結する“安心感”を前面に出して説明しましょう。

② 「一緒にやろうか?」と寄り添う

「片づけてね」ではなく「一緒に見てみようか?」と提案すると、心理的ハードルが下がります。子どもではなく“パートナー”として寄り添う姿勢が大切です。

③ 捨てるよりも「残すものを選ぶ」

「これは捨てよう」よりも「大事なものを一緒に見つけよう」と伝えることで、本人も“選ぶ権利”を持てます。結果的に多くの不要品が手放しやすくなります。

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高齢者の家の片づけで気をつけたい3つのポイント

● 思い出の品は急がず慎重に

写真、手紙、古いアルバムなどは、本人の人生の記録でもあります。勝手に捨てるのはNGです。「写真を見ながら昔話を聞く」時間を持つことで、整理の時間が「大切な家族の時間」に変わります。

● 生活動線を優先して整える

まずは“使っている場所”から整えるのが効果的です。リビング・キッチン・寝室・トイレ・お風呂など、日々使うスペースから片づけることで、安全性が一気に向上します。

● 「しまい込む」より「見せる収納」

高齢になると、「どこに何をしまったか分からなくなる」ことが増えます。なるべく見える収納・開けやすい引き出し・ラベリングを意識しましょう。

実践的な片づけの進め方5ステップ

ステップ①:片づけのゴールを共有する

「いつまでに何をどうしたいか」を話し合いましょう。たとえば、「今年中にリビングだけきれいにしよう」「転倒防止のために通路を広げよう」など、目的を明確にすると、親も納得しやすくなります。

ステップ②:1日15分から始める

一気にやると疲れてしまうため、「今日はこの引き出しだけ」「15分だけ見ようか」と、負担を感じさせない時間設定がポイントです。

ステップ③:仕分けは“3つの箱”で

「使う/迷う/処分」の3つの箱を用意し、迷ったものは“保留箱”へ。後で見直すことを前提にすると、判断のストレスが軽減されます。

ステップ④:処分方法はあらかじめ決めておく

ゴミとして出すだけでなく、リサイクル・寄付・譲渡などの選択肢を用意しておくと、手放しやすくなります。「捨てる」よりも「活かす」視点が効果的です。

ステップ⑤:変化を一緒に喜ぶ

片づいた場所を見て、「ここ広くなったね」「使いやすくなったね」と一緒に喜ぶことで、本人の自信や達成感につながります。リバウンドの防止にもなります。

それでも進まないときは、プロの手を借りよう

「どうしても感情的になってしまう…」

「自分たちだけでは片づけが進まない…」

そんなときは、生前整理や福祉整理の専門業者に相談するのもひとつの方法です。

高齢者対応に慣れたスタッフが、第三者の立場から中立的にサポートしてくれることで、親も素直に聞き入れやすくなります。

また、「片づけが相続トラブルの防止にもつながる」「将来の施設入居や売却準備として必要」という話題に切り替えると、親世代も前向きに受け入れやすくなるケースもあります。

最後に|片づけは“親子の対話の場”でもある

高齢の親の家を片づけるということは、単なる整理整頓ではありません。

それは、「どんな老後を送りたいか」「どう生きてきたか」を見つめ直す、人生の棚卸しでもあります。

そして、そこには必ず「家族の時間」が生まれます。

急がず、責めず、寄り添いながら、

「一緒にやってよかったね」と思える片づけの時間を、ぜひ作ってみてください。

ABOUTこの記事をかいた人

1982年生まれ。 現在は神道に関わる仕事に就き、多くの生死を見つめる。 あるとき「父が帰ってこない」と母から電話を受けて、騒ぎになった。 父は81歳で認知が始まっていた。警察に連絡し捜索が始まる直前、ふらりと帰ってきてことなきを得た。 物忘れが激しく、いずれ僕の名前も忘れるだろう。 終活を始めるのは、今しかないと思い、両親とともに様々な終活を開始。 家族は、妻と6歳の長男。 趣味は小説執筆、映画鑑賞など。