葬儀の生前予約とは?後悔しないための葬儀社の選び方とポイント

「自分の葬儀は、家族に迷惑をかけずに済ませたい」

「生きているうちに、終わり方も自分らしく決めておきたい」

そんな想いから、葬儀の「生前予約」を選ぶ方が年々増えています。

特に高齢化が進み、終活という言葉が浸透してきた今、生前に葬儀の準備をすることはもはや“特別なこと”ではありません。

むしろ、「家族への最後の思いやり」として、生前予約を前向きにとらえる人が多くなってきています。

この記事では、生前予約の基本知識から、注意点、葬儀社の選び方までをわかりやすく解説します。

生前予約とは?|自分の意思で葬儀を準備するという選択

生前予約とは、生きているうちに自分自身の葬儀について、あらかじめ内容を決めて葬儀社と契約しておくことを指します。

最近では、「事前相談」「生前契約」「エンディングプラン」など、さまざまな呼び方で行われています。

以下のような内容を生前に決めることができます。

  • 葬儀の形式(家族葬・直葬・一日葬など)
  • 会場や宗教形式 費用の見積もり・支払い方法
  • 希望する葬儀社やプラン内容
  • 遺影写真や音楽、弔辞の有無など
  • 連絡してほしい人リスト

など

契約内容は人それぞれですが、共通しているのは「自分の希望に沿って、無駄なく、安心できる形で備えておける」ことです。

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生前予約のメリット|本人にも家族にも安心

生前予約には、本人にも家族にもさまざまなメリットがあります。以下に代表的なものを紹介します。

1. 家族の負担が減る

突然の葬儀は、時間・お金・精神的な負担が大きく、遺された家族は大きなストレスを抱えます。

生前予約をしておけば、内容や段取りが明確なので、家族が迷わずスムーズに対応できます。

2. 自分の希望を反映できる

「こぢんまりと静かに送りたい」「花に囲まれて送り出してほしい」など、本人の想いを叶えるには、生前にプランを立てるのが最も確実な方法です。

3. 葬儀費用を事前に把握・準備できる

葬儀には一般的に100万〜200万円程度の費用がかかることも。

生前予約であらかじめ費用を見積もり、積立や支払いの方法を決めておけば、金銭的なトラブルを防げます。

4. 葬儀社の選定ができる

急な葬儀では、どの葬儀社に依頼するかで慌てがち。

生前のうちに信頼できる葬儀社を比較検討し、納得のいく会社と契約できるのも大きな利点です。

生前予約の注意点|よくある誤解とトラブル防止策

メリットが多い一方で、生前予約には注意すべき点もあります。以下に代表的なリスクと対処法を紹介します。

1. 支払いや契約内容が不明確なまま契約しない

「○○万円で全部できます」と口頭で言われて契約し、実際にはオプションが多数発生してトラブルに…

というケースもあります。

→ 必ず見積書・契約書をもらい、費用の内訳やキャンセル規定も確認しましょう。

2. 希望を家族に伝えていない

本人がどんなに準備していても、家族が知らなければその準備は活かされません。

→ 事前に「この葬儀社と契約している」「この書類に詳しく書いてある」と共有しておくことが大切です。

3. 葬儀社が倒産・廃業した場合の対策

積立方式(互助会など)で契約していた場合、葬儀社がなくなると使えなくなることがあります。

→ 信頼性の高い企業か、全額前払いでなく後払い・現地支払い方式を選ぶのが安心です。

葬儀社の選び方|失敗しないための4つのポイント

数多くある葬儀社の中から、どこを選べばよいのか?

生前予約を検討するなら、次のポイントを重視するとよいでしょう。

1. 無料相談を受け付けているか

生前予約の第一歩は「相談」から。

親身に話を聞き、複数のプランを提示してくれる葬儀社は安心です。

2. 明確な料金体系があるか

「基本プランに含まれる内容」「追加料金がかかる条件」などを、あらかじめ説明してくれる業者を選びましょう。

チェックすべき費用項目:

  • 基本プラン料金
  • 祭壇・棺・遺影などのグレード
  • 火葬料金(地域で異なる)
  • 参列者数による変動
  • 会場利用料、返礼品、食事代など

3. 葬儀実績や評判が良いか

実際にその葬儀社で葬儀を行った人の口コミや、地域での評判も参考に。

知人の紹介やインターネットでの評価も確認するとよいでしょう。

4. 柔軟なプラン対応ができるか

本人の希望は人それぞれ。「仏教式だけ」「こうでなければならない」など一方的な提案ばかりの葬儀社は避け、本人らしい葬儀を一緒に考えてくれる会社を選ぶことが大切です。

生前予約の流れ|基本的なステップ

ここでは、葬儀社と生前契約をするまでの一般的な流れを紹介します。

  1. 情報収集・複数社へ相談
  2. 葬儀の希望を明確にする(形式・規模・予算)
  3. 葬儀社を比較し、見積書を取得
  4. 契約書を確認し、生前契約を締結
  5. 家族へ共有(エンディングノートなどに記載)
  6. 定期的な見直し(状況に応じて内容変更)

まとめ|「終わり方を選ぶ」という優しさ

生前に葬儀を予約することは、「死を意識すること」ではなく、

「安心して今を生きるための準備」でもあります。

家族の負担を減らすために 自分らしい最期を迎えるために 伝えたいことを、きちんと形にするために

その一歩が、生前予約という選択です。

まだ先のことだからと先送りにせず、「元気なうちに、今だからこそ」できる準備として、

あなたらしい葬儀のかたちを、信頼できる葬儀社と一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

ABOUTこの記事をかいた人

1982年生まれ。 現在は神道に関わる仕事に就き、多くの生死を見つめる。 あるとき「父が帰ってこない」と母から電話を受けて、騒ぎになった。 父は81歳で認知が始まっていた。警察に連絡し捜索が始まる直前、ふらりと帰ってきてことなきを得た。 物忘れが激しく、いずれ僕の名前も忘れるだろう。 終活を始めるのは、今しかないと思い、両親とともに様々な終活を開始。 家族は、妻と6歳の長男。 趣味は小説執筆、映画鑑賞など。