親が亡くなったり、施設へ入居したりして、誰も住まなくなった実家。
「思い出があるから、できれば残したい」
「でも誰も住む予定がない……」
「固定資産税や管理費を払い続けるのも大変」
「今売った方がいいの?」
実家を売るか残すかは、簡単には決められない問題です。
特に親が長年暮らしてきた家なら、金額だけで割り切れない気持ちもあるでしょう。
だからこそ、
「売る・売らない」を最初に決める必要はありません。
まずは、
① 今後住む人がいるか
② 維持するのにいくらかかるか
③ 誰が管理するか
④ 活用できる可能性はあるか
⑤ 売った場合いくらくらいになるか
を整理してから判断することが大切です。
この記事では、実家を「残す場合」と「売却する場合」のメリット・デメリットを比較しながら、判断するときのポイントをわかりやすく解説します。
目次
- 1 実家は「思い出」だけで決めない
- 2 選択肢① 実家を残す
- 3 実家を残すデメリット
- 4 「いつか住むかも」は具体的に考える
- 5 選択肢② 実家を売却する
- 6 実家を売却するメリット
- 7 実家を売却するデメリット
- 8 残す?売る?まず5つを確認
- 9 残す・売るを比較すると?
- 10 「売るか決める前」に価格を調べてもいい
- 11 不動産査定には「机上査定」と「訪問査定」がある
- 12 査定額=売れる金額ではない
- 13 1社だけでなく比較する方法もある
- 14 実家の価格を知ってから家族で話し合う
- 15 実家を売るなら相続登記も確認
- 16 相続した実家を売ると税金がかかる?
- 17 実家の荷物はどうする?
- 18 こんな家庭は「残す」を検討
- 19 こんな家庭は「売却」を検討
- 20 まだ売るか決めていなくても「価値」は調べられる
- 21 まとめ|「売る・残す」の前に3つの数字を確認しよう
実家は「思い出」だけで決めない
実家には、家族との思い出があります。
子どもの頃に過ごした部屋。
家族で囲んだ食卓。
庭や近所の風景。
そのため、
「親が亡くなったから売ろう」
とすぐには考えられないのが普通です。
一方で、不動産を所有し続ければ、費用や管理の問題も発生します。
大切なのは、
気持ちと現実の両方から考えること。
まずは「残す場合」と「売る場合」を比較してみましょう。
選択肢① 実家を残す

まずは、実家を売却せず所有し続ける方法です。
例えば、
「将来自分が住むかもしれない」
「子どもが使うかもしれない」
「親が施設から戻ってくる可能性がある」
という場合は、残しておく意味があります。
実家を残すメリット
一番大きいのは、家族の思い出がある家を残せることです。
また、
将来自分たちで住む
子どもが住む
賃貸などで活用する
といった選択肢も残せます。
親が亡くなった直後など、気持ちの整理がついていない段階なら、急いで売却を決めない方法もあります。
実家を残すデメリット
一方で、誰も住んでいなくても費用は発生します。
例えば、
・固定資産税等
・火災保険など
・修繕費
・庭木や草刈り
・清掃
・防犯対策
・実家までの交通費
などです。
建物が古くなれば、屋根や外壁など大きな修繕が必要になることもあります。
つまり、
「売らなければ何も変わらない」
わけではありません。
残すという選択にも、費用と管理責任があります。
「いつか住むかも」は具体的に考える
実家を残す理由として多いのが、
「いつか誰かが住むかもしれない」
です。
ここは、もう一歩具体的に考えてみましょう。
例えば、
「5年以内に自分が戻る予定がある」
なら残す理由になります。
しかし、
「子どもが将来住むかも」
「定年したら戻るかも」
という漠然とした状態で10年、20年所有すると、その間ずっと維持費や管理が必要になります。
家族で、
誰が・いつ頃・本当に住む予定なのか
を確認してみましょう。
選択肢② 実家を売却する

今後誰も住む予定がないのであれば、売却も選択肢になります。
売却すれば、
固定資産税等
空き家管理
修繕
草刈り
防犯
など、将来の管理負担を減らせます。
また、売却代金を相続人で分けるなど、現金化することで財産を整理しやすくなる場合もあります。
実家を売却するメリット
大きなメリットは、空き家を維持し続ける負担から解放されることです。
特に、
実家が遠い
場合は大きな違いがあります。
例えば、実家へ片道2時間かかるなら、草刈りや換気のためだけに何度も通うのは大変です。
売却すれば、その管理負担を将来に持ち越さずに済みます。
実家を売却するデメリット
当然ですが、一度売却すれば基本的には元には戻せません。
後になって、
「やっぱり残しておけばよかった」
と思う可能性もあります。
また、売却には、
仲介手数料
登記関係の費用
測量・解体などが必要になった場合の費用
売却益が出た場合の税金
などが関係する場合があります。
そのため、
「査定額=そのまま手元に残る金額」
ではありません。
相続の面倒ごとをワンストップで解決【相続の窓口】残す?売る?まず5つを確認
判断に迷ったら、次の5つを書き出してみてください。
① 今後、誰か住む予定はある?
これが最も重要です。
「実際に住む人が決まっている」
なら残す理由になります。
逆に、
家族全員が「自分は住まない」
という状態なら、所有を続ける理由を改めて考えてみてもいいでしょう。
② 1年間の維持費はいくら?
固定資産税等だけではありません。
保険、修繕、庭の管理、交通費なども含めて計算します。
例えば仮に年間20万円かかれば、10年間では200万円です。
※実際の維持費は物件によって異なります。
数字にすると、「残す」という選択に必要なコストが見えやすくなります。
③ 誰が管理する?
兄弟で、
「みんなで管理しよう」
と決めても、実際には実家に一番近い人だけが負担するケースもあります。
誰が
どのくらいの頻度で
費用をどう分担して
管理するのかまで考えましょう。
④ 貸す・活用することはできる?
売却以外に、賃貸などで活用する方法もあります。
ただし、
修繕費
リフォーム費
管理費
入居者募集
空室リスク
などもあります。
「貸せば家賃が入る」だけで判断せず、必要な費用も含めて検討しましょう。
⑤ 売ったらいくらになる?
ここが意外と重要です。
実家を売るか迷っていても、
現在の価値を知らないまま悩んでいる
人は少なくありません。
例えば、
「せいぜい500万円くらいだろう」
と思っていた家が、それより高く評価されるかもしれません。
逆に、思っていたほど価格がつかない場合もあります。
価格によって、家族の判断が変わる可能性があります。
残す・売るを比較すると?
| 比較 | 実家を残す | 実家を売る |
|---|---|---|
| 思い出 | ◎ 残せる | △ 家は手放す |
| 将来住める | ◎ | × |
| 固定資産税等 | △ 続く | ○ 売却後は原則なくなる |
| 管理 | △ 必要 | ◎ 売却後は不要 |
| 修繕 | △ 必要になる可能性 | ○ 売却後は不要 |
| 現金化 | × | ◎ できる |
| 将来の選択肢 | ◎ 残る | △ 家については戻せない |
どちらが正解ということではありません。
家庭によって答えは違います。
「売るか決める前」に価格を調べてもいい

不動産査定というと、
「売ることを決めた人がするもの」
というイメージがあるかもしれません。
しかし、売却を検討するために価格の目安を知る方法もあります。
例えば、
実家を残す
→ 今後10年間の維持費を計算
実家を売る
→ 現在の売却価格の目安を確認
この2つが分かれば比較しやすくなります。
つまり、
「売るかどうかを決めるために、まず価格を知る」
という考え方です。
不動産査定には「机上査定」と「訪問査定」がある
一般的な不動産査定には、大きく分けて2種類あります。
机上査定(簡易査定)は、物件情報や周辺の取引事例などをもとに、おおよその査定価格を算出する方法です。
まず価格の目安を知りたい場合に使いやすい方法です。
一方、訪問査定は不動産会社が実際に物件を確認し、建物の状態や周辺環境なども踏まえて査定します。
実際の売却を具体的に検討する段階なら、訪問査定が必要になることがあります。
査定額=売れる金額ではない
ここは勘違いしやすいポイントです。
例えば不動産会社から、
「査定額3,000万円」
と言われても、
必ず3,000万円で売れるという意味ではありません。
査定額はあくまで、不動産会社が算出した売却価格の目安です。
実際の売却価格は、市場状況や買主との交渉などによって変わります。
そのため、査定額の高さだけで不動産会社を決めないことも大切です。
1社だけでなく比較する方法もある
不動産会社によって、査定価格や得意な物件・地域などが異なる場合があります。
そのため、
複数の不動産会社の査定を比較する
方法もあります。
ここが、この⑤の記事から不動産一括査定サービスへつなぐポイントです。
ただし、
「一番高い査定額を出した会社=一番高く売れる会社」
とは限りません。
査定額だけではなく、
査定価格の根拠
売却方法
担当者の説明
地域での実績
なども比較しましょう。
実家の価格を知ってから家族で話し合う

兄弟で意見が分かれている家庭にも、価格を知るメリットがあります。
例えば、
兄「実家は残したい」
弟「誰も住まないんだから売りたい」
という状態で話し合っても、感情論になりがちです。
そこで、
年間維持費:○万円
現在の査定価格:○万円
という情報があれば、具体的に話し合いやすくなります。
数字だけで決める必要はありません。
でも、数字を知らずに決める必要もありません。
実家を売るなら相続登記も確認
親が亡くなって実家を相続した場合は、名義を確認しましょう。
相続登記は2024年4月から義務化されています。
原則として、不動産を相続したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
親名義のままになっている場合は、売却を進める前に相続登記について確認が必要です。
相続した実家を売ると税金がかかる?
実家を売って利益が出た場合、譲渡所得に対して所得税・住民税がかかる可能性があります。
基本的には、
売却価格 − 取得費 − 譲渡費用
などをもとに譲渡所得を計算します。
ここで注意したいのが、相続した不動産の取得費です。
基本的には、
親がその不動産を取得したときの取得費を引き継ぎます。
「相続したときの評価額が取得費になる」とは限りません。
昔の売買契約書などが残っていないか確認しておきましょう。
また、一定の条件を満たす場合には、相続した空き家の売却に関する特例などを利用できる可能性もあります。
税金は個別条件で大きく変わるため、売却時には税務署や税理士などへ確認してください。
実家の荷物はどうする?
実家を売却することになった場合、次に問題になるのが、
家具や家電などの残置物
です。
物が大量にある場合は、
自分で処分
自治体を利用
不用品回収業者を利用
などの方法があります。
家具や家電まで大量にあるなら、
まず業者に頼んだ場合の費用を確認してみましょう。
※料金・対応地域・サービス内容を確認してから依頼を判断できます
こんな家庭は「残す」を検討
例えば、
近い将来住む人が決まっている
管理する人と費用負担が決まっている
維持費を負担しても残したい
賃貸など具体的な活用計画がある
という場合は、残す選択肢があります。
こんな家庭は「売却」を検討
一方、
家族の誰も住む予定がない
実家が遠く管理が大変
固定資産税や修繕費が負担
空き家の状態が長期間続きそう
相続人全員が売却に納得している
という場合は、売却を検討するタイミングかもしれません。
まだ売るか決めていなくても「価値」は調べられる
まとめ|「売る・残す」の前に3つの数字を確認しよう
実家を売るか残すか迷ったら、まず3つの数字を調べてみましょう。
① 1年間の維持費
② 今後必要になりそうな修繕費
③ 現在の実家の売却価格の目安
そして、
今後本当に誰か住むのか?
を家族で話し合います。
実家は思い出のある場所です。
だから、無理に売る必要はありません。
ただ、
「何となく残している」
状態が何年も続けば、費用や管理の問題を次の世代へ持ち越す可能性があります。
残すなら、誰が管理するかまで決める。
売却を検討するなら、まず現在の価値を調べる。
そのうえで、
「家族にとってどちらがいいか」
を考えてみてください。
次に知りたいことは?
🗑️ 大量の不用品を処分したい
📦 遺品整理をどうすればいい?
🏚️ 空き家になった実家が心配
🏠 生前整理を始めたい
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