「親が亡くなったら、相続税を払わないといけないの?」
親の終活を考え始めると、こんな不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、親の財産を相続したからといって、すべての家庭に相続税がかかるわけではありません。
まず確認したいのが、親の財産と「相続税の基礎控除」です。
この記事では、70代以上の親を持つ40〜50代の方に向けて、
「うちの親の場合、相続税はかかりそう?」
を判断するための基本を、できるだけわかりやすく解説します。
目次
まず確認!相続税の「基礎控除」とは?

相続税には「ここまでなら原則として相続税がかからない」という基礎控除があります。
計算式はこちらです。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
正味の遺産額がこの基礎控除額を超える場合、相続税の課税対象となり、原則として申告・納税が必要になります。(国税庁)
例えば法定相続人が、
| 法定相続人 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
となります。
例えば「父・母・子ども2人」の家庭なら?
父親が亡くなり、
- 母
- 長男
- 長女
の3人が法定相続人になるケースを考えてみましょう。
基礎控除は、
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
です。
仮に相続税の計算対象となる正味の遺産額が4,000万円なら、基礎控除4,800万円以下なので、原則として相続税はかかりません。
一方、正味の遺産額が6,000万円なら基礎控除を超えるため、相続税について詳しく確認する必要があります。
国内最大級の相続サービス【nocos-ノコス】「親にそんなに財産ないから大丈夫」とは限らない
ここは注意したいポイントです。
「うちの親はお金持ちじゃないから相続税なんて関係ない」
と思っていても、預貯金だけで判断してはいけません。
相続税を考えるときは、例えば、
・現金・預貯金
・土地
・建物
・株式などの有価証券
・生命保険金など
・その他の財産
などを確認する必要があります。
特に見落としやすいのが実家などの不動産です。
「預金は1,000万円くらいだから大丈夫」
と思っていても、実家の土地や建物などを含めると想像以上になるケースがあります。
生命保険は全部相続税がかかる?

死亡保険金についても注意が必要です。
亡くなった親が保険料を負担していた死亡保険金などは、相続税の対象になることがあります。
ただし、相続人が受け取る場合には、
500万円 × 法定相続人の数
という非課税限度額があります。(国税庁)
例えば法定相続人が3人なら、
500万円×3人=1,500万円
が非課税限度額になります。
ただし、契約者・被保険者・受取人などによって税金の扱いが変わる場合があるため、生命保険は契約内容まで確認しておきましょう。
借金や葬儀費用はどうなる?
「財産を全部足せばいい」というわけでもありません。
相続税を計算する際には、一定の借入金などの債務や葬式費用を遺産額から差し引ける場合があります。(国税庁)
そのため、
プラスの財産だけでなく、借入金なども含めて確認する
ことが大切です。
配偶者には大きな税額軽減がある

父親が亡くなって母親が相続する、といったケースでは「配偶者の税額軽減」も重要です。
配偶者が実際に取得した正味の遺産額が、
1億6,000万円
または
配偶者の法定相続分相当額
のどちらか多い金額までであれば、配偶者には相続税がかかりません。(国税庁)
ただし、ここには大事な注意点があります。
「配偶者の税額軽減を使えば税額が0円だから、何もしなくていい」とは限りません。
この軽減を適用するには、原則として相続税の申告が必要です。(国税庁)
では、うちの親は大丈夫?5ステップで確認
まずは次の順番で確認してみましょう。
STEP1 法定相続人は何人?
↓
STEP2 基礎控除を計算
3,000万円+600万円×法定相続人
↓
STEP3 親の財産を確認
預貯金だけでなく、実家・土地・株式・保険などもチェック。
↓
STEP4 借入金なども確認
↓
STEP5 基礎控除を超えそうなら詳しく調べる
これだけでも、
「相続税はほぼ心配なさそう」
なのか、
「一度きちんと計算した方がよさそう」
なのか、大まかな方向性が見えてきます。
親が元気なうちに財産を把握しておこう

相続税で困る原因の一つが、
「親にどんな財産があるのか分からない」
ことです。
亡くなった後になって、
「この銀行にも口座があった」
「実は株を持っていた」
「生命保険が見つかった」
「知らない土地があった」
となると、確認だけでも大変です。
だからこそ、親が元気なうちに、
・銀行口座
・保険
・不動産
・証券口座
・借入金
・重要書類の保管場所
などを少しずつ確認しておくことをおすすめします。
「財産はいくらあるの?」といきなり聞くのではなく、
「もしものとき、どこに何があるか分からないと困るから、保管場所だけ教えて」
くらいから始めてもいいでしょう。
基礎控除を超えそうなら専門家への相談も
相続税は、単純に「財産総額-基礎控除」だけで最終的な税額が決まるわけではありません。
不動産の評価や各種特例、過去の贈与などによって結果が変わることがあります。
また、相続税の申告・納税期限は原則として、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。(国税庁)
そのため、
・基礎控除を超えそう
・不動産が多い
・財産の評価方法が分からない
・生前贈与をしている
・相続人が多い
・自分で判断するのが不安
という場合は、早めに税理士などの専門家へ相談する選択肢があります。
まとめ|まずは「3,000万円+600万円×法定相続人」を確認
「相続税って難しそう……」
と思うかもしれませんが、最初から税額まで計算する必要はありません。
まず確認するのは、
① 法定相続人の人数
② 基礎控除額
③ 親の財産のおおよその総額
です。
基礎控除は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
です。(国税庁)
親が元気な今だからこそ、少しずつ財産や重要書類について家族で話しておきましょう。
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