親が亡くなった後は、悲しむ間もなく、さまざまな手続きが必要になります。
「相続って、まず何をすればいいの?」
「3か月以内に何かしないといけないって本当?」
「相続税はいつまで?」
初めて相続を経験する場合、分からないことだらけですよね。
しかも相続手続きには、期限が決められているものがあります。
特に覚えておきたいのが、
3か月・4か月・10か月
という3つの期限です。
この記事では、70代以上の親を持つ40〜50代の方に向けて、親が亡くなった後の相続手続きを時系列でわかりやすく整理します。
目次
まず確認|相続手続きの重要期限一覧
細かいことを読む前に、まず全体像を確認しておきましょう。
| 時期の目安 | 主な手続き |
|---|---|
| 亡くなった直後 | 遺言書・重要書類などを確認 |
| できるだけ早く | 相続人・相続財産を調べる |
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認 |
| 4か月以内 | 準確定申告(必要な場合) |
| その後 | 遺産分割協議 |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納税(必要な場合) |
| その後 | 預貯金・不動産などの名義変更 |
なかでも注意したいのが相続放棄の3か月です。
「まだ時間がある」と思っていると、あっという間に期限が近づいてきます。
【亡くなった直後】まずは遺言書がないか確認する

相続について最初に確認したいものの一つが遺言書です。
遺言書の有無によって、その後の遺産分割の進め方が変わる可能性があります。
例えば、
・自宅
・金庫
・重要書類の保管場所
などを確認します。
公正証書遺言などの場合もあります。
なお、自宅などで見つかった遺言書については、種類によって家庭裁判所での「検認」が必要になる場合があります。
見つけた遺言書を自己判断で開封・処分したりせず、種類を確認して適切に対応することが大切です。
【できるだけ早く】誰が相続人なのか確認する
次に確認したいのが、
「誰が相続人になるのか」
です。
例えば父親が亡くなり、
・母親
・長男
・長女
がいる場合、一般的にはこの3人が法定相続人となります。
ただし、家族構成によって相続人は変わります。
亡くなった人の出生から死亡までの戸籍などを確認する必要が生じることもあります。
後から知らなかった相続人が判明すると、遺産分割協議をやり直すなど大変なことになりかねません。
そのため、早い段階で相続人を確定させることが大切です。
【できるだけ早く】親の財産を調べる
相続人の確認と並行して進めたいのが相続財産の調査です。
例えば、
プラスの財産
・現金
・預貯金
・土地・建物
・株式・投資信託
・生命保険金など
・自動車
・その他の財産
そして忘れてはいけないのが、
マイナスの財産
・住宅ローンなどの借入金
・カードローン
・未払い金
・その他の債務
です。
相続というと「財産をもらう」というイメージがありますが、借金などの義務を引き継ぐ場合もあります。
だからこそ、早めの財産調査が重要になります。
国内最大級の相続サービス【nocos-ノコス】【3か月以内】相続放棄・限定承認

ここは特に重要です。
親に多額の借金があることが分かった場合などには、相続放棄を検討することがあります。
相続放棄は原則として、
「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」
に家庭裁判所へ申述する必要があります。 (最高裁判所)
相続放棄が受理されると、その人は原則として最初から相続人ではなかったものとして扱われます。
また、
「借金がいくらあるか分からないけれど、財産もある」
といった場合には、相続で得た財産の範囲内で債務を負担する限定承認という方法もあります。
限定承認も原則3か月以内で、相続人全員で手続きを行う必要があります。 (最高裁判所)
3か月で判断できない場合は?
「親の財産を調べているけど、3か月では判断できそうにない」
というケースもあります。
一定の場合には、家庭裁判所へ申し立てて熟慮期間を延長してもらえる制度があります。 (最高裁判所)
期限が迫ってから慌てるより、早めに専門家などへ相談することをおすすめします。
【4か月以内】準確定申告
亡くなった親に確定申告が必要な所得があった場合などは、相続人が代わりに確定申告を行うことがあります。
これが準確定申告です。
年の途中で亡くなった場合、1月1日から死亡日までの所得・税額を計算し、原則として、
相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内
に申告・納税します。 (国税庁計算サイト)
例えば、
・個人事業をしていた
・不動産収入があった
・不動産などを売却していた
といった場合には、準確定申告が必要か確認しておきましょう。
すべての人に必要な手続きではありません。
【その後】遺産分割協議をする
相続人と財産が分かったら、
「誰が、どの財産を相続するのか」
を決めていきます。
遺言書がなく、相続人が複数いる場合などには、相続人全員で遺産分割について話し合います。
これが遺産分割協議です。
例えば、
「母親が実家を相続する」
「預貯金は母親と子どもで分ける」
などを話し合います。
協議が成立したら、一般的に遺産分割協議書を作成します。国税庁も、遺言書がない場合には相続人全員で遺産分割について協議し、成立した場合には遺産分割協議書を作成するよう案内しています。 (国税庁)
【10か月以内】相続税の申告・納税
そして大きな期限がもう一つあります。
相続税です。
相続税の申告・納税が必要な場合は原則として、
亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内
に行います。 (国税庁)
例えば1月6日に亡くなった場合、原則として11月6日が期限です。期限が土日祝日などの場合は翌日となります。 (国税庁)
そもそも相続税がかかるの?
相続税には基礎控除があります。
3,000万円+600万円×法定相続人の数
が基本です。
正味の遺産額が基礎控除を超える場合には、原則として相続税の申告・納税が必要になります。 (国税庁)
例えば法定相続人が3人なら、
3,000万円+600万円×3人
=4,800万円
が基礎控除です。
詳しくは、LINEの
「① 相続税がかかるか知りたい」
の記事で解説しています。
遺産分割が終わっていなくても10か月は延びない

これはかなり重要です。
「兄弟で話がまとまらないから、相続税の申告も待ってもらえるだろう」
とは限りません。
遺産分割が終わっていなくても、相続税の申告期限そのものが自動的に延長されるわけではありません。 (国税庁)
未分割の場合には、いったん法定相続分などに従って取得したものとして計算し、期限内に申告・納税する扱いがあります。
そのため、
「まだ遺産分割が終わっていないから大丈夫」
と10か月を過ぎないよう注意しましょう。
銀行口座の相続手続きも進める
親の預金については、金融機関で相続手続きを行います。
一般的には、
・戸籍関係書類
・印鑑証明書
・遺産分割協議書
・遺言書
・金融機関所定の書類
などが必要になることがあります。
ただし必要書類は金融機関や相続状況によって異なります。
詳しくはLINEの、
「② 親の預金・銀行口座が心配」
の記事で解説しています。
不動産がある場合は相続登記も忘れずに
親名義の土地や実家などを相続した場合には、相続登記についても確認が必要です。
現在は相続登記が義務化されているため、
「実家はとりあえず親名義のままでいい」
と長期間放置する考え方はおすすめできません。
相続登記には別の期限があるため、相続する不動産がある場合は早めに法務局や司法書士などへ確認しましょう。
まず覚えておきたい「3・4・10」
相続手続きはたくさんあります。
全部を一度に覚えようとすると大変なので、まずは、
3・4・10
と覚えておきましょう。
3か月
→相続放棄・限定承認
4か月
→準確定申告(必要な場合)
10か月
→相続税の申告・納税(必要な場合)
特に3か月は早くやってきます。
そのため、親が亡くなった後は、
相続人の確認
↓
財産・借金の確認
を早めに始めることが大切です。
親が元気な今だからできること
ここまで読むと、
「親が亡くなってから、こんなにやることがあるの?」
と思うかもしれません。
だからこそ、終活は親が元気なうちに少しずつ始める意味があります。
今からでも、
・銀行口座はどこにある?
・不動産は何を持っている?
・生命保険は入っている?
・借金やローンはある?
・重要書類はどこ?
・遺言書はある?
くらいは確認できます。
全部の金額まで聞く必要はありません。
まずは、
「何が、どこにあるのか」
を家族で共有するだけでも、亡くなった後の負担は大きく変わります。
相続手続きを自分だけで進めるのが不安な方へ
相続は家庭によって状況が大きく異なります。
特に、
・相続放棄を考えている
・借金がある
・相続人が多い
・不動産がある
・相続税がかかりそう
・遺産分割でもめている
・期限が迫っている
といった場合には、早めに税理士・司法書士・弁護士など、内容に応じた専門家へ相談することも検討しましょう。
相続のこと、誰に相談すればいい?
税理士・司法書士・弁護士では、相談できる内容が異なります。
まとめ|亡くなってから慌てないために期限を知っておこう
親が亡くなった後の相続では、やることが一気に増えます。
まずはこの3つを覚えておきましょう。
3か月 → 相続放棄・限定承認
4か月 → 準確定申告(必要な場合)
10か月 → 相続税の申告・納税(必要な場合)
そして、期限のある手続きをスムーズに進めるためにも、
「親にどんな財産があるのか」
を元気なうちから少しずつ確認しておくことが大切です。
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