「親が亡くなったら、銀行口座はすぐに凍結される?」
「葬儀費用のためにお金を引き出しても大丈夫?」
「親がどこの銀行を使っているのか分からない……」
親の終活を考えるうえで、意外と困りやすいのが銀行口座と預金の問題です。
特に親が複数の銀行口座を持っている場合、亡くなってから家族が一つひとつ調べるのは大きな負担になります。
この記事では、70代以上の親を持つ40〜50代の方に向けて、親が亡くなった後の、
・銀行口座の凍結
・預金の相続
・必要になる主な書類
・葬儀費用などでお金が必要な場合
・親が元気なうちに確認しておきたいこと
をわかりやすく解説します。
目次
親が亡くなると銀行口座はすぐ凍結される?
まず知っておきたいのが、
「亡くなった瞬間、自動的にすべての銀行口座が凍結されるわけではない」
ということです。
一般的には、金融機関が口座名義人の死亡を把握すると、その口座について取引が制限されます。
そのため、
「死亡届を役所に提出した瞬間、すべての銀行に情報が伝わって一斉に口座が凍結される」
というイメージとは異なります。
ただし、亡くなった人の預金は相続財産です。
そのため、家族だからといって自由に使ってよいお金ではありません。
なぜ銀行口座を凍結するの?

銀行が取引を止める大きな理由の一つは、相続財産である預金を守るためです。
例えば父親が亡くなり、
・母
・長男
・長女
が相続人だったとします。
長男が父親のキャッシュカードを持っているからといって、預金をすべて引き出してしまったら、ほかの相続人とのトラブルにつながる可能性があります。
銀行口座の凍結には、このような相続開始後の預金の不正な引き出しなどを防ぐ意味があります。
凍結されると何ができなくなる?
金融機関や取引内容によって異なりますが、口座が凍結されると、一般的に預金の引き出しなどができなくなります。
ここで見落としやすいのが、
「その銀行口座から何が引き落とされているか」
です。
例えば、
・電気
・ガス
・水道
・携帯電話
・クレジットカード
・保険料
・家賃
などを親の口座から支払っている可能性があります。
特に残された配偶者がそのまま実家で生活する場合、生活に必要な契約まで影響する可能性があります。
親が元気なうちに、
「この口座は何の支払いに使っている?」
まで確認しておくと安心です。
亡くなる前に預金を引き出しておけばいい?

ここは注意が必要です。
「口座が凍結されると困るなら、親が亡くなる直前に全部引き出しておけばいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、安易に行うのはおすすめできません。
親本人の意思や権限なく預金を引き出すことには問題がありますし、亡くなる前に引き出したからといって、そのお金が相続と無関係になるわけでもありません。
また、ほかの相続人から、
「何のために使ったの?」
と問われ、家族間のトラブルになる可能性もあります。
もし親のためにお金を引き出した場合には、
いつ・いくら・何のために使ったのか
が分かるよう、領収書や記録を残しておくことも大切です。
国内最大級の相続サービス【nocos-ノコス】葬儀費用が必要な場合はどうする?
「でも口座が凍結されたら、葬儀代をどうやって払うの?」
ここは多くの家庭が心配するところです。
現在は、一定の条件のもとで、遺産分割が終わる前でも相続人が預貯金の一部を払い戻せる**「遺産分割前の預貯金の払戻し制度」**があります。
家庭裁判所の判断を経ずに金融機関で払い戻しを受ける場合、一つの金融機関から払い戻せる金額には上限があります。
計算の基本は、
相続開始時の預金額 × 1/3 × その相続人の法定相続分
で、さらに同一の金融機関からの払戻しは150万円が上限です。
例えば、父親の預金が600万円あり、子どもの法定相続分が1/4なら、
600万円 × 1/3 × 1/4
= 50万円
という計算になります。
制度の利用条件や必要書類については、実際に口座のある金融機関へ確認しましょう。
親の預金は誰が相続するの?

親の預金も、土地や建物などと同じように相続財産です。
「長男だから全部受け取る」
「キャッシュカードを持っている人のもの」
というわけではありません。
遺言書の有無や遺産分割協議などにより、誰がどの財産を取得するのかを決めていくことになります。
例えば、
母が預金を多めに相続する
一方で、
子どもが不動産を相続する
といった分け方になることもあります。
だからこそ、預金だけを切り離して考えるのではなく、親の財産全体を把握することが大切です。
銀行の相続手続きには何が必要?
必要書類は金融機関や相続の状況によって異なります。
一般的には、
・亡くなった方の戸籍関係書類
・相続人を確認できる戸籍関係書類
・相続人の印鑑証明書
・遺言書(ある場合)
・遺産分割協議書(必要な場合)
・金融機関所定の相続手続き書類
などが必要になることがあります。
法定相続情報一覧図を利用できる場合もあります。
実際に手続きを始める際には、口座のある銀行に連絡し、**「相続手続きに必要な書類を教えてください」**と確認するのが確実です。
親がどこの銀行を使っているか分からない場合は?
実は、これがかなり困ります。
親が亡くなった後、
「通帳が見つからない」
「ネット銀行を使っていたみたいだけど、どこか分からない」
「証券口座もあるかもしれない」
というケースです。
まずは、
・通帳
・キャッシュカード
・郵便物
・銀行からの書類
・メール
・スマートフォン
・確定申告関係の書類
などから手掛かりを探すことになります。
最近は通帳を発行しないネット銀行もあるため、「家に通帳がない=銀行口座がない」とは限りません。
だからこそ、亡くなってから探すより、元気なうちに確認しておく方がずっと楽です。
親が元気なうちに確認したい「銀行口座5項目」

難しい相続対策をいきなり始める必要はありません。
まずは次の5つを確認してみましょう。
① どの銀行に口座があるか
メインバンクだけでなく、ネット銀行や昔作った口座なども確認します。
② どの口座を普段使っているか
年金の受け取り、生活費、公共料金など。
③ 通帳・キャッシュカードの保管場所
暗証番号そのものを家族で共有する必要はありません。
まずは「何がどこにあるのか」を把握しておくだけでも違います。
④ 口座から何が引き落とされているか
電気・ガス・保険・クレジットカードなどを確認。
⑤ 証券口座やネット銀行がないか
紙の通帳がない資産は特に見落としやすいため注意しましょう。
親にどうやって聞けばいい?
銀行口座の話は、
「親のお金を知りたがっていると思われそう……」
と切り出しにくいですよね。
そんなときは、
「もし入院したり何かあったりしたとき、どこの銀行を使ってるか分からないと困るから、銀行名と書類の場所だけ教えてくれない?」
くらいから始める方法があります。
最初から、
「預金はいくらあるの?」
まで聞く必要はありません。
銀行名と重要書類の保管場所を知る。
まずはここからでも十分です。
銀行口座が多い家庭は整理も検討

親世代の場合、
「昔の勤務先の近くで作った口座」
「住宅ローンのために作った口座」
「キャンペーンで作った口座」
など、ほとんど使っていない銀行口座を複数持っていることもあります。
口座数が多ければ、亡くなった後にそれぞれ相続手続きが必要になる可能性があります。
親本人が希望するのであれば、元気なうちに不要な口座を整理しておくのも終活の一つです。
ただし、公共料金やクレジットカードなどの引き落とし口座になっていないか確認してから進めましょう。
銀行口座の相続が複雑なら専門家への相談も
銀行口座が1つで、相続人も少なく、遺産分割でも問題がなければ、家族で手続きを進められる場合もあります。
一方、
・銀行口座がたくさんある
・相続人が多い
・遺産分割でもめている
・不動産などほかの財産も多い
・相続税が発生しそう
・何から手をつければいいか分からない
といった場合は、税理士・司法書士・弁護士など適切な専門家への相談を検討してもいいでしょう。
まとめ|まずは「どこの銀行を使っているか」から確認しよう
親の銀行口座について、今からできることはそれほど難しくありません。
まずは、
・どの銀行を使っている?
・メイン口座はどれ?
・通帳や書類はどこ?
・何が引き落とされている?
・ネット銀行や証券口座はある?
この5つから確認してみましょう。
親が亡くなった後にゼロから探すのと、銀行名や保管場所だけでも分かっているのとでは、家族の負担が大きく違います。
親が元気な今だからこそ、少しずつ準備しておきたいですね。
次に知りたいことは?
💰 相続税がかかるか知りたい
📋 相続手続き・期限を知りたい
📜 遺言書について知りたい
🏠 実家・不動産の相続が心配
💬 自分の場合について無料相談






コメントを残す